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「めっき」って何だろう? ~歴史編② 電気めっきの出現~

2022-06-14

めっきの歴史について

前回の記事: 「めっき」って何だろう? ~歴史編① めっきの起源~

 

日本におけるめっき技術の普及

古墳時代に日本に伝来されためっきですが、その後江戸時代までは技術の停滞が続きます。
その理由としては、古墳時代のめっきは金や銀といった、一部の地位・権力を持った者しか扱えない素材のものが主流であったためだと考えられます。
当時このような貴金属めっきは、馬具や仏像、装飾品などに使用されていたようです。

その後江戸時代中期に入ると、めっきを取り巻く環境に変化が現れ始めました。
当時は商人が身分に関係なく大金を扱うことができるようになり、経済が活発に動き始めていました。
これに伴い、仏具や仏像、武士が使う刀剣・鎧などに使われていた金めっき技術が、かんざしなどの町人が使う商品にも用いられるようになってきました。

このように、長い間、権力や社会的影響力を持つ身分(武士など)の人々や宗教関係を中心に使われてきためっき技術が、ようやく一般の人々の扱う商品にまで普及し始めたのです。

 

電気めっき(電解めっき)の出現

当時の日本のめっきはアマルガム法によるものでしたが、1805年(日本では江戸時代後期)に国外にてこれまでのめっきの手法を大きく覆す画期的な出来事が起こりました。
現代におけるめっき技術の基本となる、電気(電解)めっきの開発です。


電気めっきは電解めっきや電鍍とも呼ばれ、イタリアの発明家であるブルニャテッリ氏が、ボルタ電池を使って銀製のメダルに金めっきを施したのが始まりだと言われています。

その後、各国で電気めっきに関する研究が進み、めっきの技術は工業化へ向けて急激に発展していきます。
電気めっきの出現から50年後には日本にもその技術が伝わり、鎧や兜などの装飾に使われ始めました。

ちなみに電気めっきに使われたボルタ電池ですが、ブルニャテッリ氏とも親交のあったイタリア人のボルタ氏が1800年に発明しました。
希硫酸が入った食塩水に銅と亜鉛を浸して導線でつなぐと、銅の原子は溶けずに亜鉛の原子のみが溶けて電子が放出されます。
これにより銅が+極、亜鉛が-極になるため、銅から亜鉛に電気が流れる、という原理だそうです。

電圧量をボルテージ(VOLTAGE)、電圧の単位をボルト(VOLT)と呼ぶのは、ボルタ氏が電池を発明したことが由来となっています。

 

「めっき」って何だろう? ~歴史編②~ おわり
次回は歴史編③、歴史のお話は最終回となります。

 

次の記事 「めっき」って何だろう? ~歴史編③ 近代日本のめっきの発展~